明星大学
明星大学デザイン学部デザイン学科 第4回 卒業研究報告展
「いろは帳」-かるたの仕組みを活用した記憶の定着を高める学習ツール-
- 栗山 智希
- デザイン学部デザイン学科
小学生の時に遊んだ「かるた」。この「かるた」で覚えたことを、今でも鮮明に思い出せるのは何故なのか。そんな疑問から「かるたと記憶の繋がり」について研究し、その関係を紐解いていった。その結果、読み札と絵札にその真髄があることがわかった。そこで、その仕組みを応用できれば、覚えなければならないことの多い教科(例えば、理科や社会など)の学習に活かすことができると考えた。このような経緯から、かるたの仕組みを活用した記憶の定着を高める学習ツール「いろは帳」を制作した。
この「いろは帳」は、覚えたいことを強く記憶に残すことができる。このツールには、「絵札の作成、読み札の作成、リハーサルの仕方」の3つの作業をその手順で取り組ませることで、記憶に定着させる仕組みが盛り込まれている。読み札に覚えたいことを整理し、五七五の短い文章でまとめる。整理したことで得たイメージを絵札へ描く。そして、完成した読み札、絵札をリハーサル(反復や復習など)していく。また、記憶の定着をより効果的なものにしていきたいときには「いろは帳説明書」を併用することで、更に記憶の向上を図ることができる。
実際に、制作した物で実験を行い、記憶の定着を促進する効果があるのか、検証も試みた。その結果、アンケートも含め、効果があることが確認できている。覚えることが苦手な学生などに、より有効な手法として役立ててもらいたい。