昔から建築と深いつながりがある日本文様を、建築物の構造体の形体モチーフとして使用し、失われつつある日本の伝統性を、立体的な日本文様により構成された空間によって感じることのできる建築物を提案する。

日本文様のなかから構造体になりそうな「琴柱文」を使用した。琴柱文を十字に組んだ構造体の架構をデザインして「琴柱塔」とし、それらを下層4つの塔頂部に上層の塔脚部が連結するように積層した。この特徴的な構造体の連続性を感じられるよう、壁は全てガラス張り、間仕切り壁は必要最小限とし、吹き抜けのある開放的な空間とした。

後世に永く受け継がれていくという意味を込めて、この建築を「キンジトウ」と名付けた。