具体的に、どのようなポートフォリオが高く評価されるのでしょうか。作品のクオリティやアイデア、企画、レイアウトなど、担当者の心をぐっと掴むポートフォリオ作りのポイントは? 「収録作品」「ポートフォリオそのもの」の2軸で考えてみましょう。
収録作品の質を高め、応募ニーズに応える
ポートフォリオは収録作品のクオリティが命。さらに、採用条件を満たすスキルや方向性が作品に込められているかも重要です。ポートフォリオに収録する作品のクオリティにこだわりを持ちましょう。
作品のクオリティ
ポートフォリオのメインは、何といっても中に収録されている作品です。どんなにポートフォリオの装丁が素晴らしくても、中身がともなっていなければ意味がありません。作品のクオリティが高く、さらにあなたの個性を感じられるものであればなお良し。手直しが必要なものには修正を加え、現時点で最高の状態にしてから収録しましょう。
応募先はどんな人材を求めているのか
応募先の事前調査は必須です。それによって、追加作品を作る必要が生じることもあります。広告主体の会社であれば、広告作品を多くするとよいでしょう。さらに一歩踏み込んで、たとえば食品関係のクライアントが多い場合は、食品関係の作品を収録するなど、相手のストライクゾーンに球を投げると効果的です。
収録作品のアイデアを明快に
限られた時間でポートフォリオのアイデアを披露するには、素早いコミュニケーションが求められます。そのため、曖昧なイメージや独りよがりな作品ではなく、相手が見てすぐに理解できる明快なアイデアを入れるのがベター。複雑でわかりづらい仕掛けは無用の長物です。よりシンプルかつスムーズに、あなたの能力や技術を相手に伝えましょう。
クオリティの均一化を
ポートフォリオに収録した作品に大きなクオリティの差があると、面接官はあなたの力量を判断できません。せっかくの良い作品も「偶然の産物」と見られてしまう可能性も……。収録作品の質にバラつきがある場合は、クオリティの高いものに合わせて調整を。自身でクオリティの高低を判断できない場合は、担当の先生などに相談して客観的なアドバイスをもらいましょう。
ポートフォリオの企画・構成
あなたの魅力をうまくアピールするには、ポートフォリオの企画・構成が重要です。企画を考えるには、「自分」「作品」「将来」の3つのキーワードを軸に組み立てるとよいでしょう。採用担当者の立場に立ち、「相手が知りたがっていることは何か」「どう表現すれば伝わりやすいか」を念頭において、ポートフォリオを企画・構成することが大切です。
わかりやすい説明文とレイアウトを心がけよう
収録作品のセレクトやアップデートを行ったら、ポートフォリオそのものの見せ方を検討しましょう。作品をわかりやすく説明できているか、見やすいレイアウトになっているか。ポートフォリオ自体をひとつの作品として仕上げます。
各作品の説明をわかりやすく
収録作品の見せどころを明確にしましょう。そのためには、文章ばかりではなく、拡大写真、図解、実際の作品を収録するといった工夫が必要です。また、作品解説の文章は的確な内容で、文字量は極力少ないほうがベター。口頭でフォローできない場合は、詳しく書いておくのも一手。解説文に関しては、あまり長い文章は読んでもらえない傾向もあります。ひとつの目安として、1行30ワード×4行くらいで収めてみましょう。
レイアウトの質を高める
ポートフォリオのレイアウトが見やすいと、それだけで相手に好印象を与えるもの。また、完成度の高いレイアウトは作品を際立たせ、あなたの個性をより高めてくれます。字間や行間、フォントなど、細部にも気を配って見やすく設計してみましょう。ポートフォリオのメインは作品ですが、それ以外の要素も評価の対象となるため、細部にもしっかりと目を配りましょう。
能力を伝えるポートフォリオ
ポートフォリオの目的は、あなたのもつ能力や得意なスキルを伝えること。これが成就すれば、採用のプロセスにおいて高い評価を得られます。たとえば、「ベジェ曲線のトレースが正確」「HTMLやFlashのスキルが高い」「3Dソフトのワイヤーフレームの設計が得意」「女性の肌の画像修正が丁寧」などなど。ポートフォリオの善し悪しが、そのまま採否の決定打となるはずです。