てつそんとは、日本そして海外からアート・デザイン・建築系の学生が集まり、学生主体で運営する日本最大の合同卒業制作展で、今年で10年目をむかえました。(JDNでは2003年よりその活動を取材しています。)10年目の節目である今年は、開催前にシンポジウムが開かれたりと、企画力・広報力ともにパワーアップし、期待が高まるなかでの開催となりました。
会場は昨年に引き続き、横浜のBankART Studio NYK。1953年に竣工された港湾倉庫時代の姿をとどめるコンクリート打放の空間は、隠れ家的な雰囲気です。アカデミックな要素を感じさせる学校主体の卒業制作展とは、また違った印象で作品を楽しむことができます。
2007年から韓国の出展者が多数参加していることも、てつそんの広がりのひとつです。今年も108組の出展のうち、40組が韓国からの出展となりました。韓国の学生合同展示会「etteda!」とも相互に協力をしあい、国境を越えた学生たちの繋がりが新たな流れを生み出しています。
今年は日本の作品に、ハイクオリティな作品が多く見られました。コンセプトの明確さ・独自性、ディティールの細かさもそうですが、プレゼンテーション能力も非常に高いと感じました。素材や技術提供を求めて協賛企業を独自に見つけたり、作品に値段をつけて実際に買い手がついていたりと、次に繋がる作品作りをしている学生が多いのも印象的でした。
てつそんの魅力は、作品はもちろんのこと、学生のみで行われている運営方法にあるといえます。誰かに言われて活動するのでなく、自らの意思で進む、そのモチベーションの高さが、ポジティブな空気の流れを作っています。
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