pd
福本雪乃 / 美術学部 絵画学科 油画専攻
高校時代から続けてきた絵画制作は、カラーインクを用いた抽象ドローイングと細密な具象画のモノクロイラストです。多摩美術大学に入学してからは、それらに二分化されていた自分の「描き方」を、ひとつの表現として融合させていくことを目指しました。
ふだん制作のテーマとしているのは、少女性への憧憬や、女性美への羨望。ときに、日常で目にするふとした情景への慈しみ。
『pd』は、「いつもとすこし雰囲気が違う」、周りの人にそう感想を述べられます。これが特別なものとなった要員は、今回の作品のモデルであり、幼馴染である親友との思い出を凝縮するような構成とモチーフの選びとりにあります。一緒に遊んだ場所、手にした玩具、そして彼女の存在感。テーマが彼女そのものであり、そのように個人を、私情を込めて描くことはこれまでほとんどありませんでした。紛れもない卒業制作ではありますが、まだまだ試みていないことはたくさんある、まだ私は変わりたい。という実験的な挑戦的な心持ちで描きあげました。学生生活は終わっても、これが作家活動のピリオドではないのだから。「次はどうしよう」という、先のヴィジョンへと繋がる1枚にできました。
作品HP : http://o0o0hesitation0o0o.web.fc2.com/