まだ寒さが残り、風が冷たく感じる三月の下旬に、多摩美術大学 美術学部の卒業制作展が開催されました。会場は例年と同じく、八王子キャンパスです。キャンパス内の桜のつぼみも、わずかながら早々と開き始めており、春の訪れを感じる好日となりました。
広大なキャンパス内の各棟で、7学科の卒業制作展が一堂に展示されました。一日で全てを見終えることが難しいほどの、見ごたえのある展覧会となっています。今回はその中から、グラフィックデザイン学科、生産デザイン学科(プロダクトデザイン専攻/テキスタイル専攻)、絵画学科(油画専攻)、工芸学科を中心に作品をご紹介します。
多摩美術大学は、今という時代の雰囲気をうまく取り込んでいる作品が多いと感じます。ファーストインプレッションで人の目を惹き付けることのできる、華やかな表現が多数見られました。作品をじっくりと見ていくと、単に“明るい・楽しい”というだけでなく、社会を斜めから捉えたシニカルな作品もありました。今回は、その中でもクオリティが高いと感じた27作品をご紹介いたします。
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