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日本大学芸術学部

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 日本大学芸術学部のデザイン学科は、コミュニケーションデザイン(以下CD)・インダストリアルデザイン(以下ID)・建築デザイン(以下AD)の三つの分野で構成されています。今回、各分野から選抜された卒業・修了制作が、ID・ADを前半に、CDを後半にと、会期を分けて展示されました。

 CDは、立体・平面・映像・ブック・インスタレーションなど幅広いジャンルの作品を見ることができました。特に目をひいたのは嚴正媛さんの「COEXISTENCE」。レンティキュラーという特殊な素材を用いた作品です。正面から見るとモザイク絵画のように、角度を変えると違う絵柄が見える視覚的な効果を活かしています。
 今年のCD展示は自分の嗜好を突き詰めたものが多く、作り手が楽しんで作ったことが伝わってきました。学生を終える今後は、「自分」というテーマから抜け出して社会を俯瞰して見ること、その上で強いメッセージを作品に持たせることが必要だと感じました。

 「人とものと環境を考えて提案する」をモットーに掲げているID。それぞれの作品は、コンセプトが明確でプレゼンボードの完成度も高く、“問題の認識”から“製品の提案”へのプロセスがきちんと伝わってきます。
 今回、テーマとして多く取り上げられたのは、「高齢化」「子どもと親」「救急」など。これらのテーマは、例年多くの提案があります。継続して提案され続けるということは、デザインが踏み込む余地がまだまだある領域だといえます。多くの提案で解決方法が見えているのであれば、次にどのように社会に浸透させていくのか、その道筋までも作り上げるデザインが今後は課題になります。

 ADは、人と人とのコミュニケーションに焦点をあてた提案が多く見られました。「文字離れ」をテーマにした杉浦可那子さんの「Mo-ジあム」など、現代社会の問題を建築の力で解決するという意気込みを感じました。ひとつの建築空間が多様な顔をもつ、荒木海威さんの「5つの建築」は、建築の概念が今後大きく変容していくことを予感させました。



平成21年度デザイン学科卒業制作選抜展・造形芸術専攻デザイン修了展

期間:
ID/2010年2月6日(土)~15日(月)
AD/2010年2月6日(土)~15日(月)
CD/2010年2月16日(火)~26日(金)
※ID=インダストリアルデザイン、AD=建築デザイン、CD=コミュニケーションデザイン

会場:日本大学法科大学院1Fアートプラザ

URL:http://www.art.nihon-u.ac.jp/department/design/

取材日:2010年2月7日(土)、25日(木)



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日本大学芸術学部 卒業制作展

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