天候に恵まれた2月3日、東京藝術大学の卒業制作展は最終日をむかえました。毎年恒例の開催場所となっている東京都美術館は、今年もたくさんの来場者で賑わいを見せていました。(大学院生の修了展は大学美術館・大学構内で開催。)
大学構内で卒業制作展を開催する学校が多い中、東京藝術大学は毎年、東京都美術館で開催しています。上野には多くの美術館・博物館が集結しているため、卒展を目的に訪れた方だけでなく、多くの美術ファンを呼び込むことが可能です。
今年の卒業制作展は全体的に奇抜な作品は少なく、時間をかけて丁寧に熟考されたものが多い印象を受けました。
デザイン科の作品はファインアートに通じるものも多く、デジタル手法はあまり使わず、「手」を使っている作品が多数でした。PCを使用すればそれなりに見栄えのする作品が出来てしまうように思える現在、アナログ手法を突き詰めて制作することは、非常に意味のあることです。
油画科は、正統派な油画以外に立体物も多くあり、分野の垣根を越えた作品づくりが行われています。各作品の横には作者の自画像も展示されており、そちらもあわせて楽しむことが出来ました。
工芸科の作品が展示されていた1階展示室では、広々とした空間にふさわしく、ダイナミックな作品群が目に飛び込んできます。一つ一つをじっくり観ていくと、素材感を活かした繊細な造りで、芯の強さを感じさせる作品も数多くありました。
※東京都美術館で展示されていた、学部生のデザイン・工芸・彫刻・油画を中心に取材しています。
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