ICSカレッジオブアーツ
ICS COLLEGE OF ARTS 第52回卒業制作展
BLENDING BOUNDARIES
- 林 芷筠
- インテリアアーキテクチュア&デザイン科
昔江戸の人々は川と共に暮らし、街と川と人々が密接に関係しあっていた。現在のメガシティ東京では、川を暗渠化したことで川と人々との関係性が稀薄になっている。大都市の中で人々がより豊かに暮らせるため、御茶ノ水エリアの水辺空間を再生する。
御茶ノ水エリアでは、約3,000種類の植物が生育している渓谷の中を神田川が流れている。大都市にある渓谷に遊歩道を挿入し、都市と自然が調和する空間に人々を誘う。
御茶ノ水の川沿いエリアを再生することで、水道橋と御茶ノ水をつなぐ、新しい人の流れが創出される。高低差約20mの渓谷沿いのスロープや階段などの遊歩道を辿ると、神田川の水辺にまでアプローチできる。水辺の遊歩道にはオープンテラスが設けられており、御茶ノ水の学生やミュージシャンのパフォーマンスの場を提供している。水辺には水上バスなどの発着場が設けられる。観光客や通勤通学の交通手段として活用される。また、カヌーやヨットなどのアクティビティも加わり、昔の江戸の町と川と人との関係を復活させる。
都市の中の自然環境をデザインするにあたり、遊歩道や屋根を支える構造は樹形(tree)・枝(branch)というデザイン・ランゲージ(design language)を用いてデザインした。