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工学分野に限らずあらゆる分野の大学・専門学校と企業・自治体などが、研究開発を進める上で連携する「産官学連携」の取り組みがさかんに行われている。産学連携は、大きく分けて二つの取り組み方がある。一つは企業等の研究者と大学の教員が共通の課題について研究を行う「共同研究」。もう一つは、外部から委託を受けた研究課題について大学が研究を行い、その結果を委託者に報告する「受託研究」である。文部科学省が調査したデータによると、平成20年度の「共同研究件数」は17,638件となり、前年度に比べて1,427件(9%)増加した。また「受託研究件数」は19,201件となり、前年度に比べて676件(4%)増加した。
デザインの分野でも、多くの産学連携がなされている。実際に店頭で「産学連携」により開発された製品を見かけることも多い。
企業が時間を割くことが難しい「基礎研究」を、多くの知識を持ち合わせた学校と共に行うことで、社会に役立つ研究成果を生み出している。また、学生たちにとって企業や研究機関の持つ技術力や、経験にともなう知識、なにより現場の空気に触れることは、机上の空論でない「生きたデザイン」を学ぶことが出来る。今後のデザイナーの育成にも大きな影響力があるだろう。
今回は、数多くの産学連携に取り組む金沢美術工芸大学から、2007〜2010年に実施された3つのプロジェクトを紹介したい。
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